コラム

アスノシステム株式会社が運営するコワーキングスペース「A-Point(アポイント)」について、ご担当者の皆様にお話いただきました。


取材日時:2020年9月11日14:00

取材場所:A-Point(アポイント)

A-Point(アポイント)」は、浜松町駅からわずか徒歩6分、再開発が進む竹芝エリア中心地にて2020年9月1日にオープンしたコワーキングスペースです。

A-Pointのロゴ。はじまりの「A」と、ビジネスのはじまりの一歩である「アポイント」を掛け合わせ、あらゆる人との出会いやつながりの拠点(Point)であり続けたいという願いが込められている

今回は、A-Pointを運営されているアスノシステム株式会社WEBサービス事業部メディアサービス部部長の楠徹平さん、新規ビジネス開発本部研究室室長の新谷諒介さん、管理本部経営企画室の三上玖弥さんと、A-Point店長の中里拓哉さんにお話を伺います。

左から楠さん、店長中里さん、新谷さん、三上さん

コンセプトは、コワーキングスペース×ショールーム

ゆりかもめ竹芝駅、JR浜松町駅、都営大江戸線・浅草線大門駅からのマルチアクセスが可能で、現在再開発が進んでいる竹芝エリア。多くのオフィスビルの中の一つ、國際浜松町ビルの中に「A-Point(アポイント)」があります。4階の「アスノシステム株式会社」のドアを開けると、木のぬくもりを感じられる開放的なフリースペースが広がります。

エントランスから全体を眺めた様子。開放的な空間に多様なタイプの席が並ぶ

ゆとりある空間に、個人でもグループでも使える様々なタイプの28席に加え、最新の設備が備わった6人用の会議室が1部屋あります。利便性に優れ、開放感のある空間が特徴的なA-Pointですが、コンセプトは何でしょうか。

三上さん:ずばり、コワーキングスペース×ショールームです。ほかのコワーキングスペースさんはフリーランス向けも多いと認識していますが、A-Pointは再開発が進む竹芝にありますので、周辺の法人をターゲットとしているto Bのコワーキングスペースです。そのため、ビジネスユースを意識した、ゆったりとした空間にしました。

A-Pointを立ち上げた2つの目的「商材のショールーム」「拠点づくり」

A-Pointを運営するアスノシステム株式会社は、国内最大級の貸し会議室検索サイト「会議室.COM(カイギシツドットコム)」をはじめ、様々なサイトを運用しています。改めてアスノシステム株式会社についてご紹介いただきました。

楠さん:「アスノシステム」は、名前の通りシステム会社です。現在170名ほどの社員のうち、約150人超がシステム部門に携わっています。

従業員の大半がエンジニアであるシステム開発会社のようですが、今回、どのような経緯でコワーキングスペースの運営を始められたのでしょうか。

楠さん:コワーキングスペースを始めた目的は主に2つあります。
1つが、自分たちの商材である会議室の運営者向けの最新の製品やサービスを詰めこんだ、実際に見て体験いただく空間を作ることでした。
もう1つは、弊社が所属しているグループ会社全体の様々なステークホルダーとの拠点を設けることです。例えば、グループ会社のひとつに、フリーランスのプロエンジニアをサポートしている「株式会社PE-BANK」がありますが、登録していただいている多くのプロエンジニアをはじめ、お取引先様からビジネスパートナーまで様々なステークホルダーに支えられて我々が存在しています。そういった多くのステークホルダーとのコミュニケーションの場、またグループ会社同士の組織力を強めていく場にもなればいいなと考えました。
「スペース貸しビジネスをやりたい」と考えていた訳ではなく、これら2つの目的を考えた時に、提供できる最適な形がコワーキングスペースということでした。

奥に見えるのが「商材のショールーム」である会議室

エンジニアならではのアイデアが詰まった、長時間作業がしやすい空間

次に、立ち上げの際のこだわりについて伺います。まず始めに、内装や備品に関してこだわったポイントはどこでしょうか。

楠さん:さまざまな用途に対応できるよう、フリースペースの席に変化をつけました。窓に向かってお一人で集中して作業ができるハイカウンターや、グループで話しながら作業ができる4人掛けテーブル等を用意しています。一番のおすすめはファミレスシートで、長時間利用に最適だと思います。中でも角席はA-Pointのスタッフ内で人気の席です。

さらに、エントランスには商談や来客時に気軽に使えるソファ席があります。ゆったりした空間ながらも多様なタイプの席が用意されており、あらゆる用途に対応できそうです。

ファミレスシートの中で、スタッフ人気NO.1の角席

新谷さん:椅子もこだわりです。私もエンジニアなので、長時間作業する時に腰が痛くなる経験から、座り心地重視の椅子が欲しいという話になりました。

楠さん:コワーキングスペース協会のコワーキングスペース運営者勉強会の会場になっていたスペースで見つけた椅子の座り心地が良かったので、予定を変更して同じものを導入しました。

実際に座らせていただいたところ、適度な柔らかさで背中からお尻まで全く痛くない快適な座り心地でした。長時間の作業も苦にならない、機能性抜群の椅子を体験できます。

折りたたみ椅子ながら、最高の座り心地

最新鋭のミーティングソリューションを体感できる会議室

A-Pointの最大の特徴はこの会議室と言っても過言ではありません。アスノシステム株式会社では、会議室の運営者向けにハード・ソフト両面で製品やサービスを紹介しており、この会議室がそれらの商材を体感できるショールームとしての機能を果たします。

楠さん:中央に置かれたハイシット(高座位)テーブルは、オフィス家具や教育施設用什器で有名なアメリカSteelcase社のものになります。一般的な会議室のテーブルよりも30cm程高く作られているため、立ち上がって話しても座った人と同じ目線となり、上から目線にならないため会議が和やかになります。長時間の会議で座っているのが疲れた時も、少し立ち上がっていただいても違和感ないかもしれないですね。アイデア出しやブレスト会議でも、座る・立つというチョイスが増えて、いつもより闊達で効率的な会議ができるかもしれないですね。

Steelcase社のハイシット(高座位)テーブル

その他、360度のパノラマカメラ、マイクとスピーカーを兼ね備えたテレビ会議ツール等も導入されています。会議室は、個人/法人会員が予約可能で、ドロップインでも空いていれば使用でき、最新鋭のミーティングソリューションを体感することができます。

最新のテレビ会議ツール。360度のパノラマカメラで周囲の人を捉え、話者にフォーカスしたカメラワークも可能

新たなサービスを展開する上でのチャレンジの場でもある

これまでスペース内をご紹介いただきましたが、立ち上げに際して注意したことや大変だったことは何でしょうか。

楠さん:注意したことは、空間デザインです。はじめは大きなテーブルも考えましたが、今後どのような利用があるか分からないので、座席のレイアウトに柔軟性を持たせ、バリエーションを増やせるようにしました。また、to Bであることから、ゆとりを持ったスペースを意識しました。

新谷さん:大変だったことは、コワーキングスペースで使うシステム面の知識がなかったことです。

新谷さんはアスノシステム株式会社の研究室で新しい技術を取り入れていく部門に所属しており、今回A-Pointに携わる目的のひとつは、IoTやICT等の新技術を試すことだそう。現段階で、A-Pointの利用者のチェックイン用アプリ、個人/法人会員の入会用アプリ、施錠管理アプリ、またチェックイン情報に連動したTwitterの混雑状況ツイートBOTを自作されています。

新谷さんが作成したアプリで利用者情報を管理する

楠さん:お客様が希望する仕様通りに作り上げ、安定稼働させることが受託開発にはまず求められます。それ故に普段の仕事の中で新しい技術やサードパーティが提供するサービスにチャレンジすることがなかなか難しいのが悩みでもありました。そういった意味では、新たなサービスの展開を目指しチャレンジして成果発表することは、A-Pointが存在する第三の目的と言えるかもしれません。

現在は「会議室.COM」のメンバーで運営

ところで、A-Pointのはスタッフはどのような構成で運営されているのでしょうか。

楠さん:今は立ち上げたばかりなので、「会議室.COM」に携わるメンバーで交代しながら運営しています。店長中心で、他メンバーがサポートしています。

中里さんは、もともと店長のポジションに興味をお持ちだったのでしょうか。

中里さん:前職がイベント会社だったこともあり、以前から接客やマニュアルを作って運営していくことは好きでした。店舗運営の経験は今までなく不安なところもありますが、たくさんの方に気軽に寄っていただけるスペースにしていきたいと思います。

ワイドなプロジェクターやスピーカー等の設備が完備してありますが、今後イベントを催す予定はあるのでしょうか。

三上さん:立ち上げ前から、月1回はイベントをやろう!と決めていました。お客様発信を含め、今後具体的に何をやるか決めていこうと思います。ちなみに今月は、「イスを使ったストレッチと免疫力を上げる栄養学」の教室を催す予定です。

黒板サイズのワイドなプロジェクター。二画面の映し出しも可能で、会議の効率を上げられそう

最後に、今後の展望について伺いました。

楠さん:コワーキングスペースとしての収益を高めることはもちろんではありますが、それ以上にいろんな人に気軽に立ち寄ってもらえる空間にしていきたいです。そして自分たちとコミュニケーションをとっていく中で、システム開発や新しいビジネスにつなげられたらと考えます。利用者同士のつながりも生まれることで「出会いの場」「きっかけの場」になってほしいです。

エンジニアならではの視点でデザインされた開放的なスペースは、長時間作業が捗りそうな居心地の良い空間でした。

「A-Point」基本情報

住所東京都港区海岸1-9-18 国際浜松町ビル4F アスノシステム
アクセス竹芝駅 徒歩4分、 浜松町駅 徒歩5分、 大門駅 徒歩8分
月額料金(個人)¥10,000
(法人)1アカウント¥15,000 ※増減時の変動あり
ドロップイン料金30分以内:300円
1時間以内:500円
2時間以内:1,000円
2時間以上(終日):2,000円
座席数28席(フリースペース)、4席(エントランス)、6席(会議室)
固定席の有無なし
営業時間・定休日10:00 – 19:00(土日祝定休) 
URLhttps://a-point.work/
A-Pointが入居するビルの外観。竹芝エリアの中心地にある