コラム

東京都新宿区「ツクル・ワーク新宿センタービル店 」を運営しているキンコーズ・ジャパン株式会社様へのインタビュー


取材日時:2019年12月16日16時
取材場所: ツクル・ワーク新宿センタービル店

本日は、2019年2月に東京・新宿にオープンしたツクル・ワークを運営されているキンコーズ・ジャパン株式会社取締役の渡辺さんとマネージャーの山田さんにお話を伺います。

ツクル・ワークの渡辺さんと山田さん
ツクル・ワークの渡辺さんと山田さん(中央)

「働く」「趣味」「ラボ」の3つのテーマに合わせた「場所」 を

―― 印刷業をメインに展開されているキンコーズがコワーキングスペースの運営に着手したきっかけをお聞かせください。

キンコーズが日本に上陸したのは28年ほど前。コワーキングスペースを最終的に選んだのは「場所」がキーワードでした。「働く」「趣味」「ラボ」の3つのテーマに合わせた「場所」を提供したいという思いからこの事業が始まりました。

きっかけは「新宿」。というのも、この街には多様性があり働く人々が多く行き交う街である上に、私達も店舗を持っていました。新宿はビジネスのイメージがとても強く、コワーキングスペースを立ち上げるには良い場所だと考えました。

キンコーズが提供する印刷業を中心に独自のサービスを提供しつつ、その空間を運営するサービスオフィスという融合施設としてコワーキングスペースを展開しようというのがオープンの経緯です。

ツクル・ワークの外観

―― 現在はコワーキングスペースを展開されていますが、今後は「趣味」「ラボ」というようなワークスペース以外の展開もお考えだそうですね。

一言で「コワーキングスペース」といっても利用者様によって利用用途はさまざまであるということがわかりました。

サラリーマンを中心に、会社の資料作成などパソコン作業をされる方もいれば、趣味や仕事として絵や漫画を描いたりと創作活動の場に宛てる方もいらっしゃいます。
それ以外にも、ご家庭ではなかなか道具をそろえられないDIYの場所として利用を希望される方もいらっしゃいました。特に、キンコーズはいろいろな方の制作活動で必要になる「印刷」に力を入れていますので、お役に立てるサービスをご提供できるのではないかと考えております。

あらゆる場面の「ツクル」を支える

―― 「ツクル」と「働く」は少し違ったイメージがありますが、こちらのネーミングにはどういった意味が込められているのでしょうか?

キンコーズでは「ツクル」という言葉は生活のあらゆる場面で登場していると考えました。

働く上で製品やサービスを造る(創る)、環境を作る、手芸やDIYなど働く以外のライフシチュエーションで作るなど。
一言で「ツクル」といっても様々です。その「ツクル」をキンコーズの持っている強みと掛け合わせることで、ビジネスだけでなく様々な場面で、お客さまにサービスを提供できると考えました。

特に、このコワーキングスペースは「ツクル・ワーク」という名前で運営しています。サラリーマンの皆さまが会社で手掛けている製品やサービスを「ツクル」段階で、そのほか趣味の何かを「ツクル」場として、この場所を提供することで、より良い製品・モノ作りにお力添えできないか考えた次第です。

ツクル・ワークの設備

ビジネスからプライベートまで、幅広い利用をサポートする施設作りへ

―― 企画段階でのターゲット、そして今後のターゲット層についてどのようにお考えですか?

「ツクル・ワーク」の立地がビジネスマンが多い新宿ということもあり、まず最初はライフシチュエーションの中でも「働く」ことにターゲットを置きました。
新宿はビジネス街なので、さまざまな人が行き交います。もちろん、新宿に拠点を置く人は対象ターゲットとして据えていて、どちらかと言うとフリーランスで働く人というよりは、企業に属して「新宿で働く人」にターゲットを置きました。

しかし、利用者様の属性を見てみると新宿に拠点を置かないサラリーマンの利用者様が予想以上に多かったのです。利用者様自身が新宿に拠点を持たなくても、新宿に拠点を置く企業に用事がある人もいる。これが、企画段階と開店してからの大きなギャップでした。

現段階では「新宿で働く人」だけでなく「ビジネス」にターゲットを広げ、さまざまな「働く」シチュエーションに合わせた環境、サービスを提供しています。特に最近は新宿での打ち合わせの前後にご利用いただく利用者様がほとんどです。長時間の滞在よりは短時間の利用が目立ちます。

ツクル・ワークの渡辺さんと山田さんへの取材の様子

―― ツクル・ワークは「働く場所」でありながらどこか落ち着くようなアットホームな環境を感じます。

利用者様の過ごしやすい環境作りに力を入れています。利用いただくお席や内装はもちろん、特に「音」にはこだわりがあります。他の利用者様の打ち合わせの声やパソコンの音、ちょっとした音が仕事の邪魔になる場合もあります。短時間の利用者様が増えたからこそ、短時間でも使いやすい、落ち着いて作業できる環境を求めました。

今後の展望としては「働く」をテーマにした「場所」であるコワーキングスペースを、法人会員の皆様にご提供できれば良いなと思っています。
地方都市などに複数店舗を持つことで、会員様の働く拠点を増やしていきたいです。
テレワークや在宅勤務などが叫ばれている今日で、さまざまな面からビジネスサポートをしていきたいです。

また、ビジネスだけにとどまらず、「趣味」や「ラボ」といったプライベートや生活をテーマにした「場所」の提供にも力を入れていきたいと考えております。さまざまなお客様に利用いただける場所を作ることを考えています。例えば、漫画作家さんの制作活動場所やDIYができる場所などです。
ビジネスからプライベートまで、老若男女を問わず誰かの手助けになれるようなサポートできる施設作りを目指していきます。

――本日はツクル・ワークを運営されている、キンコーズ・ジャパン株式会社取締役の渡辺さん、同店マネージャーの山田さんにお話を伺いしました。ありがとうございました。


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